九重・涌蓋山へ初めて登ったのは、二十数年前のことになる。
その時は女房とふたりで、もっとも一般的な筋湯からのコースを取った。
そのときに、涌蓋越から見えるみそこぶし山への踏み跡に心引かれ、「今度はあの道を辿ってみたい」と思った事を
覚えている。
しかしその後、「みそこぶし山」、「一目山」への道を訪れる機会がないまま、高い山、厳しいルートへと私の目は向いて行った。そして、数日前のこと、ネットの友達からの一言で、「そうだな、ふたりであの道を歩いてみよう。。。」と思い立ち、彼女に言うと、「いいね、私も気になっていたのよ」と、久しぶりにふたりで九重へ出かけることになった。 |
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一目山を目指す
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一目山山頂 |
ハ丁原地熱発電所が見える |
まずは「みそこぶし山」へ |
世間は三連休だ。自分もそうだけど。。。
逆方向の車の渋滞を横目に見ながら、長崎から大分道を九重へと走る。
今回は「一目山」から「涌蓋山」へと縦走し、復路はピストンとした。 「一目山」の登山口は、九重スキー場のすぐそばだった。適当な空き地を見つけてテントを張る。
軽くいっぱい飲んで、今夜のメインディッシュの鍋焼きうどんを頂いて就寝。
朝は冷え込んだ。4℃まで気温は下がっていた。
コーヒーを沸かして、体をあっためる。空は快晴のようだ。今回のコースはいい天気のときに歩きたいと思っていたので、気分のいい山歩きが出来そうだ。
林道を少し歩くと、すぐに左手に小さな標識がある。「一目山」と書いてある。ここから林道と分かれて山道だ。
急な登りがまっすぐに「一目山」へと続いている。穂を出し始めたススキの中の道をグングン高度を稼いで行く。
思ったより早く山頂に到着。
右前方に、これから登る「涌蓋山」が思いのほか遠くに見える。その手前には、途中通過することになる「みそこぶし山」が可愛い姿を見せている。振り返れば、再来週登る予定の「阿蘇根子岳」の特徴的な勇姿、その横には「阿蘇高岳」、少し左手には八丁原の地熱発電所の煙が立ちのぼっている。
さあ、先は長い。長居は無用だ。。。。。 |
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吾亦紅 |
ヤマラッキョウの花 |
? |
マツムシソウ |
アキノキリンソウ |
アキリンドウ |
この日の道沿いには、秋の花たちが勢揃いしていた。
あまり花のことは詳しくない私たちだが、「可愛いな」「きれいだな」、そう感じる心はあるつもりだ。花たちは私たちに見てほしくて咲いているのではないけれど、それにしてもそれぞれが自分を主張している、そんな気がする。花たちの美しさはそれぞれ個性に満ちている。そして自信に満ちているように思える。どの花からも、「あの人の方が自分よりきれいだわ、くやしいわ」そんな声は聞こえてこない。「自分は自分らしく咲くんだ。」そんな声が聞こえてきそうだ。
自分の生き方、自分の山登り、自分の大切なもの。。。。。。。
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一目山からは一旦防火帯を下り、林道へ戻ることになる。
そして、再び歩きやすい感じのいい山道となり、花たちと会話しながら「みそこぶし山」へと向かう。
みそこぶし山は、展望のいい山頂だ。まだまだ涌蓋山は遠く感じる。
みそこぶし山からなだらかに下り、小さな沢を過ぎると林道に出る。涌蓋越だ。林道を少し歩くと、登山道は右手の林の中へと続いている。樹林帯を歩いていくと頭上が開け、涌蓋山の手前にあるピーク「女岳」への急登が目に飛び込んでくる。ちょっとたじろぐ。。。。
きつい登りだ。 女岳で大休憩とする。 mimimamaさんもちょっときつそう。
稜線を通る風が心地良い。 自動販売機で普通に買って来た水がとてもおいしい。 見慣れたmimimamaの笑顔がちょっとうれしい。。。。
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みそこぶし山頂 |
女岳にて・・・ |
さあ、涌蓋山へ! |
涌蓋山への最後の登り |
着きました! |
疲れたび〜〜 |
女岳から湧蓋山へは、思ったより短時間の登りだった。
山頂には数人の登山者の姿しかなく、静かな時間をゆっくり過ごすことが出来た。 涌蓋山は南北に長い山頂だが、この山頂で小学生位だった息子たちとフリスビーをして遊んだのが、ついこの前のことだったように思い起こされる。 いろいろな意味で懐かしい山頂だ。
この日は、シャウエッセンをつまみにして、お昼は定番のラーメンです。
シャウエッセンとセロリをコンソメ味で食べるのがシンプルですがとても美味です。 コーヒーも美味しかったし。 |
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シャウエッセンでっせ! |
九重連山を見つめるいい男(後姿はね!) |
コーヒーもあるでよ! |
下山は往路を戻りました。 帰りは一目山へは登らずに、迂回路の林道を歩きましたが、その途中から見上げた
一目山の山腹は、ススキが陽に輝いてキラキラと風にそよいでいました。
人にはそれぞれ自分を素直にしてくれる場所があるようです。 人にはそれぞれ感性が呼び起こされる空間があるようです。 それは山かも知れません。 自分のお部屋かも知れません。 バイクで走っている時かも知れません。 岩に張り付いている時間かも知れません。 そんな場所、そんな時間を持っている人は幸せなんだと思います。
さあ、また山へ行くぞ。。。。 |
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一目山のススキがきれいでした |