【登った岩】・・・・・・・宮崎県・比叡山の岩場
【山 行 日】・・・・・・・2007年11月11日(日)
【天 候】・・・・・・・晴れ
【メンバー】・・・・・・・ハマちゃん、テラちゃん、mimimama、Jimny |
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前日、1スラを登った後、その夜は西都山岳会の「麓屋」にお世話になった。
前会長のnamaさん、現会長の水流渓人さん夫妻、元気印の女性会員2人、と
楽しいひと時を過ごさせていただいた。
朝からやってきた小松の親分さんとも会うことができた。
西都山岳会の人たちは、今日はU峰を登るとの事。
私たちは、V峰入門ルート「左方カンテ」に行くことにした。
つるちゃんのHPから引用させていただくと、「左方カンテ」は
1P・30m/3+級・・・階段状のやさしいフェイスを右上
2P・40m/6+級・・・小カンテからかぶり気味を左に回り込みフェイスのクラックを登る
3P・40m/4級・・・クラックをつないで登る
4P・30m/4+級・・・小スラブを左上から右に折り返してフレークをレイバック
5P・40m/6-級・・・左へのンドトラバースから直上し、ハングを左に回り込んでコーナーを登る、 とある。
比叡山のルートはあまり何本も登ったわけではなく、
これまで登った中でのピッチグレードは1スラの4+が最高だ。
6+級とか言うのはあまり実感できないが、
ピンの間隔も合わせて考えると、相当覚悟していかなければなるまい。
麓屋から向かうと、V峰のトンネルの手前の空き地に車を止めて、トンネルの中をくぐり抜け、
看板を目印にトンネルの横から取り付きへと向かう。
山道をほんのちょっと歩くと、電柱のあるところが取り付きだ。
Jimny+ハマちゃん、mimimama+テラちゃん、の2パーティーで登ることにする。
テラちゃん、ハマちゃんともにイレブンの後半を登る力は持っている。
最初のピッチはハマちゃんがトップだ。
階段状の岩を右上していく。
途中、左方カンテバリエーションのものと思われるピンがあるが、
更に右へと登ってピッチを切る。
セカンドで私が登り、mimimamaパーティーも続いて登って来る。 |
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車道を少し歩く
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1ピッチ目はハマちゃんリード
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ハマちゃんとトップを代わり、持ってきたトポで確認して2ピッチ目に私が取り付く。
ピンは見えているが、結構厳しそうだ。
2P目が核心で6+級となっているのでそれもそうだろうと思い登り始める。
ピンを目指して少し右へ移動し、次のピンを目指す。
ここで頭上にあったハーケンに私は気付かなかった。
・・・ここから先、間違って「ラストフロンティアルート」に入っていってしまったようだ・・・
厳しいスラブだ。
フリーで登りたいと思っていたが、A0も交えないととても登れない。
こんなことでは昼から登ろうと思っているニードルもとても無理だな、と思いながら上を目指す。
比叡で叫んだことはない自分だったが、
今日は思わず声を出しながらのクライミングとなってしまった。
登れないかもしれない、、、落ちるかもしれない、、、
そんな自分に自分で気合いを入れてやらないととても登れない、、
そのときの自分はきっとそう思ったのだろう。
ロープの残りが気になりだした頃、やっと並行ピンが見えた。
2,3m左にも並行ピンが見えるのが気になった。
長い時間が過ぎて「ビレイ解除!」のコールを下に掛ける。
まったく見えない下のメンバーから、「登ったばい、、、」と言う小さな声が聞こえた。 |
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2ピッチ目終了点を上から見る
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4ピッチ上のテラスを終了点から見る
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ハマちゃんがフォローで登って来る。
次のピッチに行かなければならないので、
残置してやりたかったがヌンチャクは回収してきてもらう。
ハマちゃんがすこしづつ登り上がって来る。
その後ろからmimimamaがリードで続く。
「mimimamaのリーチで登れるかな、」と不安を感じながら私は上から見ていた。
ハマちゃんはなんとか登ってきている。
mimimamaが2本目のピンから3本目に行くところで時間が掛かっている。
普段クライミングでは強気の彼女の横顔が、なんとなく気弱な表情に見えた。
「ヌンチャクを残しておけばよかったな、、」そう思っているうちにハマちゃんが登ってきた。
ハマちゃんにそのまま2ピン上まで登ってもらい、横にある松の木にセルフビレイを取ってもらった。
私もセルフをシュリンゲ直で取り、ハーネスのロープを外し、苦労しているmimimamaへ投げた。
私が投げたロープをハーネスに結び、ほっとした表情でmimimamaが私のいる所まで登ってきた。
ここのビレイポイントは2人しか立てないので安全確認を済ませ
私はロープを付け直して3ピッチ目へと向かった。
3ピッチ目も4ピッチ目も厳しかった。 |
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終了点にやってきたテラちゃん
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お疲れ様でした
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最後のピッチが自分には一番厳しかったように思えた。
3本目(だったと思う)のピンへのクリップがとても大変だった。
少し安定したホールドとスタンスはあるのだが、そこからだと後5〜10cm届かない。
ずいぶん頑張ってみたがクリップできずに一旦テンションを掛けて仕切り直し。
テンションを掛けるにしても、最後のクリップはずっと足の下にあるので大変だ。
ずりずりとクライムダウンしてピンに乗り、最後は「落ちるよ」と声を掛けてやっとテンション、、、
この上にあるはずの最後のピッチはここよりも難しいと書いてあるので、
「ここまで来て撤退かな、」と一瞬考えてしまった。
気を取り直して、もう一度やってみる。
さっき考えたムーブしかないようだ。
右手右足をぎりぎりのホールドスタンスで耐えて、左足でバランスを取りながら
左手をいっぱいに伸ばして、クリップ、、、、、なんだけど、
RCCボルトのクリップする穴の部分の板が回るんだよなあ〜〜〜これがあ〜、
「落ちられないぞ、、、落ちられないぞ、、、」と自分に言い聞かせながら、
微妙な体制でクリップするのに掛かった時間がとても長く感じた。
カラビナのゲートをしっかり広げて、RCCボルトの穴にそっと通す、、、、
クリップした瞬間ヌンチャクを掴む!そしてロープを掛ける。
当たり前じゃん!
自分の技量でこんなとこでフリーに拘ってたら命がいくつあっても足りませ〜ん。
ここはmimimamaのリーチでのリードは厳しいだろうと思い、
ハマちゃんにヌンチャクを2本繋いでもらった。
結果的にはそれが大正解でした。
核心を越えて、ほっと上を見上げると、なんだか岩は終わっているような、、、、、
ヌ?ヌ?ヌ?、、、、
後1ピッチあるはずなんだけどなあ?
と疑問に思いながらこの緊張から逃れられることに喜びを感じながら
終了点へと登り後続を迎えた。
後ろから私たちとは違うラインで登ってきたピナクルのパーティー(知り合いでした)と、
話したところ、私たちが登ったルートは左方カンテではないのでは、と聞き、
わけわからんままに下山し車のところでnamaさんたちと再び会った。
「どうでしたか?」と聞かれたので
「とても厳しかったです」と答えた。
帰宅後調べてみると、我々が登ったルートは「左方カンテ」ではなく、
2ピッチ目から別れて「左方カンテ」の右を登る「ラストフロンティアルート」だったことがわかった。
そして厳しかった最終ピッチは「5.10cの比叡の果てライン」ということがわかった。
つるさんのHPによると、
1P 30m III+(5.1) バンドをつなぎ右上(左方カンテノーマルのライン) 2P 50m 5.10b 階段状から傾斜の強い小フェイス、短い凹角から スラブ壁を直上し、小カンテからスラブ帯の末端へ
3P 35m 5.10b- スラブ帯の左寄りを登り、短いレイバックから、 短いが傾斜の強いスラブを直上して草付バンドを左上する
4P 25m 5.10b+ 短いフェースから左にでて、短いが傾斜の強いスラブ壁を直上する
5P 35m 5.10c 比叡の果てライン
となっている。
ルートを間違えていたことに気付かずに登った事がとても恥ずかしい。
トポを見ながら「比叡のグレードはやっぱ厳しいなあ、、、」と思いながら登っていた。
言い訳になるが、日本の岩場のトポだとラストフロンティアに間違って入る可能性があると思う。
もし初見で左方カンテを考えている人がいるのならお気をつけて、、、、
6級でとても苦労したと思い込んでいた私は、比叡山は自分にはまだ無理なのかな、と
思っていたが、今度の経験でなおさらきっちり比叡を登りたいと思った。
次回は「左方カンテ」を登ります!! |
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