【祖母山、ラクダ岩・調査試登】

                                   

祖母山の小屋番さんと、ラクダ岩という所に下見に行ってきました。
画像は小屋番さん撮影のものです。

【月日】・・・・・・2000年5月18日〜19日
【山域】・・・・・・祖母傾山系
【天候】・・・・・・晴れ
【メンバー】・・・祖母山の小屋番さん、Jimny
【コース】(5/18)・・・北谷登山口〜北谷右俣沿いの杣道〜天狗岩北〜障子岳〜
           川上本谷ガレ場〜ラクダ岩(調査、試登)〜祖母山〜
           九合目小屋(泊)
     (5/19)・・・九合目小屋〜国見峠〜北谷登山口


祖母山には、沢登りの好ルートがたくさんあります。
また、沢登りの詰め部分には岩峰や岩稜が出てきます。

祖母山系では最も美しい谷と言われる「川上本谷」の詰めは、
ガレ場から稜線に出るのが一般的です。
しかし、そのガレ場の右手には「ラクダ岩」と呼ばれる岩峰があります。

小屋番さんは、「せっかくの事だから、きれいな谷を登った後は、爽快に
岩峰から稜線に出てほしいものだ。」と思われたようです。

そこで今回の「ラクダ岩」の調査、試登となりました。

・・・・・・・・

5/17(夕)長崎を出発。
五ケ所の登山口の近くで車中泊する。

5/18、北谷登山口で小屋番さんと合流。
風穴コースに入る。

小屋番さんの後を、置いていかれないように付いていく。
すぐに登山道から外れて、杣道らしき踏み跡に入る。
谷からつかず離れず、北谷沿いに高度を稼ぐ。

二俣に出て、右俣へと進む。
この辺り、シャクナゲが咲きなかなかいい感じだ。
右手には「スズコヤ岩塔」・・・(小屋番さんいわく)が見える。
縦走路から見ると、よく目立つ岩だ。

1時間20分程で、縦走路に出る。(チョット、トバシギミデス)
天狗岩のすぐ北に出た。
ここから天狗岩を経て、障子岳へと向かう。

*正確には、国土地理院上の障子岳と本当の障子岳とは位置が違うらしい。

地図上の障子岳の少し北に位置する東に突き出した尾根の
突端の岩塔が「ラクダ岩」だ

 「ラクダ岩」の南からガレ場を下りこむ。
 ここが、「川上本谷」を遡行すれば
 詰めの登りとなる所だ。
 落石に注意しながら、岩クズだらけのルンゼを下る。

 「ラクダ岩」は二段になっているが、その一段目の下に取り付く。

 高さ5〜10mの岩だが、
 ブッシュ混じりにルートを取れば、簡単に登れそうだ。
 せっかくなので、岩登りが楽しめて
 中間支点が取れる木があるルートを小屋番さんがリードで登る。

 登った後、小屋番さんが

 「ここはあんまりおもしろうなか。
 Jimnyさん、そっちば登ってみんですか・・」と
 
 進められるままに、右手のルートに取り付く。

 フックスしたロープに、最近手に入れたばかりの
 小型のユマールをセットして登る。
 
 こちらは結構、ホールドも微妙で気合が入る。
 

 「ここは、ノーピンでは登りとなかばい・・・・」
  トップロープでよかった。ホッ!

 続いて小屋番さんが登る。
 「うんにゃ、ここはV級ばい・・・」
 場所を変えることにする。
 更に突端に出て、二段目の岩の上に出る。
 ここはオーバーハングしている。
 高さは7〜10mといった所。

 立ち木にロープをフィックスして、懸垂下降で下りる。
 空中懸垂になる。

 Jimny、小屋番さんの順で降りて、「さて登ろうか」、と
 岩を眺めてみるが、いかにも脆そうだ。
 引き出し状の岩で、持ったそばから抜けそうな感じだ。

 とりあえず、取り付いてみる。
 ハングしているが、ホールドは豊富そうなので
 登れると思ったが持つ岩はほとんどグラグラ状態。
 途中で諦める。

 右手から簡単に巻いて登れるが、もったいないので
 めったに機会がないブルージック登攀で登る。

 小屋番さんは、私が上から確保をして、
 やや右寄りのルートからフリーで登ってくる。
 こちらはまあまあホールドはしっかりしているとの事。
 しかし、ハングしているので
 結構気合が入った表情で登ってきた。

アケボボツツジが見事な景観を楽しんで、ロープを回収して小屋へ向かう。
途中、小屋番さんご自慢の展望台やシャクナゲ公園などを案内していただき
祖母山を十分に楽しませてもらった。

小屋には今日は宿泊客はなく、小屋番さんと二人きりの水入らずの時間を楽しんだ。
・・・・別に変な関係ではありません・・・・・

20時には毛布にくるまり寝てしまった。

5/19、5時に目覚め、
5時30分、小屋に残る小屋番さんと別れ、北谷へと下山する。

・・・・・・・・・
『ラクダ岩は、川上本谷を遡行した後に詰めとして登るのに
楽しいルートだと思います。弱点を捜して登れば沢靴や登山靴でも
ノーザイルで登れますので、ぜひ試してみてください。
ガレ場を登るよりも、はるかに登った後の爽快感を味わえると思います。』

*小屋番さん、お世話になりました。