≪Jimnyの山登りレポートin「山人」≫

多良針峰群(仮称)・多良山系


【登った山】・・・・多良山系
【山 行 日】・・・・2006年01月28日(土)
【 天  候 】・・・・晴れ
【メンバー】・・・・みーすけ、amac、mimimama、Jimny、(ヒロ君、ゆうこちゃん)
【 ルート 】・・・・黒木→八丁谷右俣→左沢→ルンゼ→小尾根→支稜線→針峰群→小鳥の看板→黒木
【 装 備 】・・・・(個人装備):ハーネス、ヘルメット、シュリンゲ、カラビナ、エイト環、他
          (共同装備):ロープ9mm×50m、9mm×20m、ツェルト、ハーケン数枚、バイル、捨て縄


前回に引き続き、多良山系での未踏ルートへのチャレンジです。
今回は、1/15にトレースした谷のもうひとつ北の谷を詰めて、
下山は、個人的にも以前からトレースするのが念願だった多良針峰群(仮称)を下ると言うものです。
八丁谷右股の砂防ダム工事は大掛かりなもののようだ。
谷の様子がすっかり変わってしまった。
今日は、登山道からアプローチだ。
林道の終了地点から西野越方面へ登山道を登る。
登山道が左にカーブする地点から谷に降りる。
前回歩いた谷に出て少し登ると、顕著ではないが谷は二股となる。
ここから、今日は左股へ・・・・・
左股は伏流となっていて水はない。
谷の右手から出会う3段30m程の高さの滝は、薄いながらも氷瀑が出来ていた。
コンディションがよければもっと厚くなりそうな感じだったので、アイスにも使えるかも知れない。

その先は段々両サイドが立ってきて谷は顕著なルンゼ状となる。
さらに、右手からは大規模な崩壊が進んでいて、巨大なガレを形成している。
崩壊を起こしたのはつい最近ではないかと思える。
それも、一気に大きな崩壊を起こしたと思える様子が窺える。
草木はまったく生えていないし、転がっている石も表面がきれいだ。

ルンゼの左手を見上げると、今日下山する予定の針峰の突端が見えている。
そこは垂直の壁となっていて、途中にはピッチを切る立ち木もなく、
50メートルロープでは下れそうもないように見える。

「どうしますか?大丈夫でしょうか?」との声も聞かれたが、
「ダメな時は登り返してエスケープすればいいさ」という事になり、とりあえずこのまま谷を詰めることに、、、
しばらくルンゼを詰めるもののトップのmimimamaさんが行き詰まってしまい、
我々は右手の崩壊地との隙間にできた小尾根状にエスケープ。
ルンゼに取り残されたmimimamaさんをロープを出して救出する。

*別に残しておいても良かったんじゃ・・・?なんて言ったのは多分amacちゃんです、、

小尾根を詰めると、壁に突き当たる。
壁を左に巻くと、支尾根に出た。
ここから主稜線の縦走路まで詰める予定だったが、特にその必要もなさそう、との判断で
この地点でお昼とし、このまま下山にかかることとする。
ここからが今回のメインテーマとも言える多良針峰群(仮称)の踏破となる。ワクワク!
最初のピークからもさっそくロープを出す。
ごぼうでは危ない程の傾斜なのでエイト環を使う。

次の下りは2ピッチの懸垂下降。
トラバース気味の斜め懸垂などもあり、ちょっと緊張する。
初参加のヒロくんとゆうこちゃんは、関東の山岳会でもまれていたとの事で、
危なげなく行動している。

登りから見た絶壁の針峰と思えるピークに出た。
下から見たときは絶望的に見えたが、別のルートを取ればなんとか大丈夫だ。
しかし、ちょっと方向を間違えると、とんでもない事になるだろう。
用心用心、、、、、

先端の針峰を無事下ると、植林帯となり、気持ちのいい歩きの後、登山道に出会う。
少し下ると、目的としていた小鳥の看板に到着。

ここで、今回のルートはめでたく終了となった。
【後記】

今回のコースが多良山系では一番の難コースではないかと思う。
黒木から西野越へ向かう登山道の途中の水場から右方向を見ると尖ったピークが二つあるのがわかる。
今回辿ったのはその尾根だ。

しかし、下りが核心だと思っていたものの、登りの谷も予想以上に厳しくて苦労させられた。
さらに、その谷の右手に発生していた崩壊はまだ新しく、
規模も多良山系では一番大きい崩壊ではないかと思われる。
下部の砂防ダムも、この崩壊を考慮してのものなのかも知れない。

多良山系の新しい発見や、難所の通過法の判断、チームプレー、
それに、フレッシュな若者の参加など、いろいろな事があった今回の山行だった。