祖母山からメンノツラ谷登山道に向かう時に、尾根筋を外れ「メンノツラ谷」に別れる地点から 尾根筋にまっすぐ進むかすかな踏み跡がある。 この尾根が「小松尾根」だ。 その昔、この尾根上の「P989」の地点に、「小松城」というお城があったそうだ。 ロマンを感じさせるこの尾根に山の会のメンバーで出掛けた。 前夜、神原キャンプ場の駐車場にテントを張らせてもらう。 翌朝、車で移動する。 白水の部落からメンノツラ方向に進み、「なかうち橋」の手前の空き地に車を停める。 「なかうち橋」を渡らずに、「メンノツラ谷」の左岸の林道を歩く。 「祖母山登山道」の標識があるが、これは「メンノツラ登山道」に合流するルートと思われる。 このルートに取り付いてみたが、方向が違うのでヤブを漕いで右上に走っている林道に上がる。 この林道を終点まで詰めて、ここからコンパスで方向を定め道なきコースへと踏み込む。 狙いどうり登れれば、「小松城」へ直登出来るはずだ。 登り出しは、植林帯だ。 まもなく自然林となる。 |
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何度か岩場に突き当たる。 直登出来る所は登り、危ない所は高巻く。 だんだん傾斜がきつくなり、あえぎながら登って行くと大岩が積み重なるような所に出る。 広場のようになっていて、最近木を払ったような跡がある。 ここが、「小松城」の跡のようだ。 見張り台と思われる、展望のいい岩もあり、人の手が加えられたような形跡もある。 直径10mを越えそうな大岩がゴロゴロしている。 更に進むと、高さ50mはあるスラブ状の岩があり、左を巻く。 この岩の右手を偵察したが、足元が100m程切れ落ちている所のトラバースがあったのでこちらは諦めた。 ちょうど、大崩山の小積ダキコースの坊主岩のトラバースに似ている。 |
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「小松城」でしばらく、いにしえへ思いをはせる。 ここからは忠実に尾根を辿ればいい。 コンパスは南西を指している。 赤松やヒメシャラが多い。 しばらくは痩せ尾根が続き、スズタケはそれほどうるさくない。 ずんずん進んで行くと、徐々にスズタケが密生してくるようになりかき分けて進んでいく。 尾根筋にも何箇所か岩場があり、慎重に登る。 ロープを使った岩場を登り越すと、進路は南向きに変わる。 このあたりからは傾斜はなだらかになる。 途中、小屋番さんが書かれていたテントの残骸らしきものを見る。 一箇所、支尾根の張り出しにだまされそうになるが すぐに気付き事なきを得る。 鹿道と思われる踏み跡が縦横に走っているので つい誘われそうになる。 障子岩への尾根がだんだん近づいてくる。 あの尾根と合流すれば、祖母山は近い。 私はラストからスズタケのヤブを泳いでいると、 「出たよお〜!」と、トップの「ヤンマー礼子」の声がする。 後から追いかけてみると、「メンノツラ道」との合流点に出た。 「ヤレヤレ、これで一安心」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
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「さあ〜頑張って祖母山まで行こう!」 今日のメンバーの中には、「祖母山」初登頂の人もいるので、山頂は外せない。 九合目小屋に着く。 若い男女3人パーティーが一組、小屋の外で食事をしている。 小屋の中を覗き、小屋番さんを捜してみるが今日は登ってこられていないようだ。 久しぶりにお顔を拝見したかったが・・・・ 私は、小屋に残り食事の準備をすることにし、他のメンバーはカラミで山頂へ。 小屋から山頂までには、雪が残っていたそうだ。 もう、九州の山も冬支度です。 小屋であわただしく、お昼を済ませ下山にかかる。 冬の登山は時間との勝負だ。 メンノツラ登山道へと戻り、「小松尾根」との分岐で改めて、今日のコースを思い返す。 「なかなか、変化に富んで楽しい山行でした」と ヤブコギ初体験のミ〜マ〜さん。 ここからの「メンノツラ」の下りも気は抜けない。 スリップに注意しながら下る。 延々と谷を下ると、木の橋があり、ここを渡ると 五合目の小屋だ。 小屋の中を通り、林道に出る。 後は、今日の山登りの事をみんなで「ペチャクチャ」おしゃべりしながら林道を歩いた。 |
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*「小松城」の存在を知ってから、一度は訪ねてみたい・・・・と思っていました。 以前、「メンノツラ登山道」の下りの分岐から見た「小松尾根」へのかすかな踏み跡は 目に焼き付いてしまいました。 今回、山の会の仲間と無事辿る事が出来ました。 なお、このコースに興味を持たれた方は、地図コンパスをしっかり駆使して 岩場の技術も身に付けて、ビバークの準備もしてから取り付いてください。 我々ももちろんそうしました。 それと、祖母山の小屋番さんのお許しを得てからネ・・・・・・(^_^;)ナカナカキビシイコトイワレルヨ〜 |