【Jimny徒然記】 2005年5月

 このページでは、私Jimnyの周りで起こったことや、
    日々感じたこと思ったことなどを徒然に綴っていきます。
    なにか不適切な表現や、間違った記述などがありましたら、ぜひご指摘ください。



【目次】

2005.05.27・・・・アリーナ実況!
2005.05.26・・・・フリークライミング、不思議な世界
2005.05.15・・・・深緑の金泉寺へ
2005.05.13・・・・長与の山「碑の岳」
2005.05.11・・・・吼えてゴメンナサイ!
2005.05.07・・・・祖母山の夜、mimimama吼える!

2005.05.27・・・・アリーナ実況!

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ビレイしていただくK先生に挨拶をし、壁に向かう。
昨日の夜もこのルートに取り付いたのだが、核心のクリップに失敗しあえなく敗退したのだった。
今日は、クリップしやすいようにと思い、いつもより細いロープを持参した。
あのクリップさえスムーズにできれば、なんとか上はいけると言う思いがあった。

壁を見上げて頭の中で動きを組み立てる。
「よし!」と心の中で自分自身に声を掛け右手で最初のホールドに手を掛けた。
左手で丸いホールドを包むように持つ。
右足をアウト気味に乗せ体をひねって1本目のヌンチャクの下のポケットを右手で取る。クリップ。

左手で外傾気味のホールドを持ち、右足を丸いホールドに乗せ
伸び上がって右手でダンゴ状のホールドを掴む。クリップ。

両足を一段づつ上げて、左手でネジと呼んでいるホールドを掴む。
左足をパターンに、右足をポケットに乗せて、右手でナイキマークと読んでいるホールドを取る。
右足で黄緑ホールドに乗り込むように体重を乗せて、安定させる。左手でクリップ。レスト。

左足をネジに乗せ右足をパターンに置き、体を左側に寄せて右上の横向きのポケットを持つ。
左手で左上の横向きのポケットを体を右に寄せながら取る。
右足をナイキマークにキョンで乗せ、左足を左側に飛ばし気味にバランスを取ってクリップ。

いつもこの辺りまでで少し手が張るのだが、今日はそれほど消耗していないみたいだ。
いつもはここで一段下がってレストするのだが、そのレストもかなり辛い。
今日は、このまま行く事にする。最初から手が張ってなかったらそのつもりだったのだ。

クリップした体制のまま、次のポケットを右手で取る。
左足を右側にあるパターンのくぼみにアウトで乗せ、左手で黄緑を取り、
そのまま左手を飛ばして、蛍光のゲタ(と呼んでいるホールド)を一気に取る。
よし、力は十分に残ってるゾ。

右足をポケットホールドに乗せ、左足をやや左側のパターンに張り気味に出してバランスを取る。
ここからが自分にとっての核心の連続となる。
いける、、そんな声が頭の中で聞こえた。

一瞬深呼吸をしたような記憶がある。

そのバランスで右手を下のポケットから、上のカチホールドへ上げる。
こいつがいつも私を跳ね返してきたホールドだ。
カチホールドをきっちり掴んで左足を右足の右側に流してバランスを取る。
よし、大丈夫だ。

ゆっくり、慎重に、慌てないように、左手をホールドから離し、ロープを手繰る。
クリップ・・・・よし!

左手をホールドに戻し、左足をさっきのパターンに戻す。
落ち着いて右手をシャッフル。
持ち直して左手をシャッフル。

右足を乗せていたホールドに今度は左足をアウトで乗せて、体を右手で引き付けながら
左手で遠いポケットホールドを取る。
いつもは手が消耗していると、このホールドをきちんと持てないのだ。
このホールドが取れれば、多分上はいける・・・・・

止まった!

右足をパターンに乗せ、右手でハング下の大きなポケットを取る。よし。
左手でハングの上の左側のカチホールドを取る。小さいがよく効くホールドだ。
右足をゲタホールドに乗せて、クリップ。クリップ。クリップ!!!

まだ気は抜けないぞ。

右手をシャッフルして、その右手で黄緑ホールドを掴む。
左足をパターンに置き、右足を大きなポケットに乗せ乗り上がり気味に左手でもう一段上のガバを取る。
ここで体の右側真横に来ているヌンチャクにクリップ。
立ち上がって右上の黒っぽいポケットホールドを右手で取る。

さあ、レストだ。
ここで充分休まないと、この先は無理だ。
右足を大きなポケットに突っ込み、左手をガバに上から乗せ、
体の左側を壁にくっつけるような感じでレストする。
右手と左足はブラーンとした状態。これがなかなか決まらない。
レストの後、右手で黒っぽいポケットホールドを持ち直して、体の中からロープを手繰るようにしてクリップ。
再び同じ体制でレストして、いよいよ最後の難関に向かう。

左手で左上の小さなカチホールドをサイドに引くように持つ。
右足をアウトに決め、体を右側に傾けながら右の大きなガタガタホールドを掴む。
よい、いいぞ。
ここからの2手が問題だ。
次は取れても、2手目が止まるかどうか。その2手目が止まれば落とせる。

ガタガタを取って、足を寄せる。
左手で、ちょっと甘い外傾気味のホールドを持つ。右足を右側のパターンの窪みに乗せる。
左足を左手の真下辺りの何もないパターンに添える。
左手と右足を効かせて、左側にあるポケットホールドを右手でクロスで取りにいく。

これだ、ここが決まれば落とせる。

取れそうな予感があった。
声が出た。
「シャアー!」とか「ウワアー!」とか言ったようだ。

右手は止まった。
すかさず左足を黄緑のカチホールドに乗せ変え、体を安定させてクリップ!
下でヤマガミ君の「おおーー」と言う声が聞こえた。

やった!やった!

そう思いながら、残り2手を慎重に行こうと思っていた。
次は、ガッチリ効くポケットだ。
声が出た。

次が終了点のガバだ。
声が出た。

終了点のアンカーにロープを掛けた。
声が出た。

K先生がやさしくロープを下ろしてくれた。

真っ先にヤマガミ君が手を出して祝ってくれた。
ハットリさんも祝福してくれた。

そして、いつまでも成果の上がらない私達夫婦をいつも気掛けてくださるK先生に感謝の言葉を伝えた。


2005.05.26・・・・フリークライミング、不思議な世界

私が住む長崎の町には、無料で使えるクライミングの施設があります。
アリーナカブトガニと言う市営の施設です。
おかげで、時間が取れたときはそこでトレーニングをすることができます。
私も山登りの力を付ける意味でのトレーニングとしても、できるだけ通うようにしています。
私の尊敬する福岡の友人のH君も、
「フリーをやっていれば山の全ての場面でその経験・力は活きる。」と、そう言っていました。

去年の秋に黒ホールドを登ってから、冬の間はサボっていたこともあって、
次の課題ルートはまったく進んでいませんでした。
その間、クライミングはあまり楽しくありませんでした。
でもクライミングは間隔を空けてしまうと登れなくなってしまいます。
ですから最近はほとんど義務感で通っていたような感じでした。

そんな気持ちで毎日通っていると、「なんでこんなことを繰り返してるんだろう?」、
そう思うこともあります。
はっきり言って落ち込むだけで帰宅することも多いです。
「趣味の世界なのに、なんで落ち込んでまでやらなきゃならんの?」
そんな事を思ったりすることもあります。

でも考えてみたら、趣味なんてそんなもんですよね。
マラソンが趣味の人は、毎日のトレーニングが楽しい事ばかりではないでしょうし、
トレーニングを積み重ねてきても、本番で思うような走りが出来なかった時は
悔しさしか残らないのかも知れません。
でも、それも趣味の一面なんですよね。

そして今日、私は久しぶりに次のルートを落とすことが出来ました。
つらい思いをする事が多かったのですが、(そこまで追い込んでない!と言われそう・・・・(^_^;)
課題を落とせば落としたでウレシイもんです。
苦しみが長く辛いほど、喜びは大きいものかも知れません。

今日祝杯をあげたばかりの私に、明日からはまた、辛く長い日々が続くのでしょうか・・・・・・(--;)


2005.05.15・・・・深緑の金泉寺へ

久しぶりに金泉寺まで登ってきました。
黒木の登山口から見上げる多良の山々は、すっかり初夏の佇まいです。
登山口にはたくさんの車が停まっています。
さっそく、「山本さ〜ん!(私Jimnyのことです)」と声を掛けられました。
以前在籍していた「A山の会」で一緒によく岩登りをした「Kさん」でした。
今は会を辞められ、個人的に山歩きをしているとの事。
しばらく立ち話をして、それぞれの方向へ別れました。

林道歩きから始まる金泉寺への道は、緑で眩しいくらいでした。
林道から山道に入り、植林帯を登っていきます。
最近間伐されたらしく、道の感じが明るくなっていました。

去年の台風で崩壊した以前のルートは、大きく右に巻き道が出来ています。
巻き道を辿り、水場を過ぎたところで、単独の男性登山者とすれ違いました。
挨拶を交わしていると、「Jimnyさんですか?」と声を掛けられました。
長崎のネット上で時々お名前を拝見していた「visionさん」でした。
初対面のご挨拶でした。
再会を約して彼は下り、私達は登って行きました。

オオキツネノカミソリの葉は、そろそろ枯れかけていました。
この葉が枯れてしまうとその後に花芽が出てきて、
初夏には艶やかなオレンジのじゅうたんが一面に広がるのです。

ここを登り上がると金泉寺はすぐそこです。

金泉寺の広場のテーブルに場所を借り、お昼の準備をしていると、
中山越の方から、男の二人連れがやってきました。
「山人」メンバーの「みーすけさん」とそのお友達でした。
一緒にお昼となり、彼らのこだわりランチをご馳走になりました。

食事をしていると、遠くから「澄子さ〜ん!(mimimamaの名前です)」と呼びながら
こちらにやってくる人がいます。
なんと、「おじゃるゆりこさん」です。
今日は一人で五家原岳からやってきたとの事。
彼女とも久しぶりでした。

食事後、小屋の中にお邪魔してみると、先代の金泉寺の小屋番さんの「Kさん」が来られていました。
久しぶりの再会で、話が弾みました。

こうして、今日の金泉寺は旧交を温める山登りのようになってしまいましたが、
そんな懐かしい顔ぶれに会いたくなったら、金泉寺にやってくれば誰かに会えそうな、
そんな気がした今日の金泉寺でした。


2005.05.13・・・・長与の山「碑の岳」

昨日5/12は、私の町長与町にある「碑の岳」に一人で遊びに行きました。
碑の岳は岩山で、3つの岩峰からなっています。
3つの岩峰の一番高い岩のピーク(1峰・仮称)のすぐ下まで車で行くことができ、
ロープが残置してあるので、そのロープを頼りに登ることが出来ます。

岩のピークからは、長与の町はもちろん長崎市内まで一望に出来ます。
正面には岩屋山が雄雄しくそびえています。

この碑の岳の岩峰は地元の方達の信仰の対象となっているらしく、
岩の下には可愛い祠が祀ってあります。

ですので、本格的にクライミングの対象として開拓みたいな事は出来ないと思いますが、
今日は、岩の上の立ち木にロープをセットして、懸垂下降で下ってみました。
岩の高さは、60mロープをダブルにしていっぱいでしたので、25m位ありそうです。
岩の基部はオーバーハングしていて、面白そうなルートが引けそうです。
岩は全般に脆く、同じく長崎市内の権現岩と同じような岩質のようです。

下まで降りた後、ロープにヘッドオンでシュリンゲを2本セットして、登り返して見ました。
ホールドがポロポロと取れたりするものの、なかなか面白いです。
多分、5.9〜5.10ab程度のルートは引けそうに思いました。

ボルトをガンガン打ったりするわけには行きませんが、
立ち木を利用してトップロープで登る分には、いいかも知れません。

この1峰(仮称)よりも、県道から見える50m位のフェースの3峰の方が
もっと面白いと思います。

近々、3峰の下まで行ってみようと思います。
結構なヤブコギになりそうですが・・・・・・


2005.05.11・・・・吼えてゴメンナサイ!

5/7の徒然記の記事に対して、いろんな意見が来ました。
当事者のTさん、Kさん、Hさん、いろいろと失礼があったならゴメンナサイ。
でも、掲示板に書いたとおり私達があなた達に親近感を持っていたからこそなんだと言う事を
理解していただければ幸いです。

私達が始めたばかりの山の会も、切磋琢磨しています。
吼えることも多いです。
でも、吼えたい相手に、吼えたい時に、吼えるのは必要だと思います。
誰からも吼えられなくなった時、それはだれも自分の事をまともに相手してくれていないんだと
そう思った方がいいのかも知れません。

自分の親がこの世からいなくなった時、多分そんな思いをするのでしょう・・・・・・

私は山の事で、真剣に吼えたり吼えられたりする、そんな人間関係を山で持ちたいと思います。


2005.05.07.・・・・祖母山の夜、mimimama吼える!

先日の祖母山九合目小屋の夜、mimimamaが吼えました!
吼えられた女の子は何を吼えたのかわからなかったんではないかと思います。
その夜、私達と一緒に小屋で食事を取ったパーティーとの会話です。

私達が、「祖母傾の縦走をするなんて凄いね!」と言うと、

「いえいえ、私達なんかまだまだです」

「そんなことないよ、祖母傾の縦走なんて、山岳会でじっくり勉強しなきゃあなかなかやれるもんじゃあないよ」

「私達なんか、まだまだ山岳会に入るなんてそんなレベルじゃないです」

ここら辺りでmimimamaが吼えます・・・・・・

「ちょっと、それは失礼よ。ここの縦走路を歩きたいために山岳会で力をつけて
 やっとのことでみんな歩いてる、そんな憧れの縦走路なのよ、ここは。
 山岳会に入るレベルじゃない人が歩いちゃいけないと思うの、この縦走路は。
 順序が逆だと思います。力がないと山岳会に入れないんじゃなくて力を付けるために山岳会に入るのよ。
 そんな風にして私達の先輩たちはこの縦走に取り組んできたのだと思います。
 九州で山登りをしてきた人にとって、祖母傾縦走は特別な存在なんだと思います。」
 
と、きょとんとしている女の子にそんな事をmimimamaが言ったのでした。

mimimamaには、祖母傾縦走路には特別の思いがあるのです。
この縦走路を歩きとおすために、約半年間のトレーニングをしたのです。
そしてその半年間で山の楽しさ厳しさを理解したのだと思います。
彼女に本当の山登りの素晴らしさを教えてくれたこの縦走路を歩く人には、
自分が得ることが出来たそんな思いを感じてほしいのだと思います。

私にとってもこの縦走路は山登りを始めて以来、長いこと憧れのコースでした。
確かに、一人前の登山者としての自信を持てる、そんな特別な縦走路であってもいいと思います。

そしてそれは、自分自身がどんな過程を経てこの縦走路を歩き通したかによると思います。

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