≪Jimnyの山登りレポート≫

比叡山3峰・左方カンテルート

【ルート名】・・・・・・・左方カンテルート・宮崎県比叡山3峰
【登った日】・・・・・・・2008年5月18日(日)
【天   候】・・・・・・・晴れ
【メンバー】・・・・・・・アトム、クニさん、ビリーちゃん、Jimny

昨日は1峰の「ナックルスラブルート」を楽しんだ。
今日は、1日目のメンバーの登りを見て、取り付くルートを決めるつもりでいたが、
クニさんもビリーちゃんも、そんなに易しくもないルートをきちんとフォローして来てくれたので、
何の迷いもなく左方カンテルートに向かうことにした。

パーティー編成も昨日と同じ。
そして今日もトップはこのルート初見のアトムに行ってもらうことにする。
(もちろん私も初めてですが、、、)
「テンション、A0は良いがフォールは許さない。
 万一フォールすれば二度と山人でマルチのリードはさせない」
そう彼女に言い渡してトップを任せた。
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*この話には伏線があるのですが、その中身は伏せておきます。
 私は彼女の実力ならこのルートは確実に初見で登れるはずだと判断しました。
 彼女に足りないものがあるとすれば、 初見ルートをトップで登った経験と、
 ぎりぎりの場面でも折れない精神力だと思ったからです。





個人的には、昨年の11月に隣の「ラストフロンティアルート」を登っているので
少しはライン取りは理解できている。
1ピッチ目は「ラストフロンティアルート」と同じだ。
2ピッチ目から、「左方カンテルート」は直上する事になる。
この2ピッチ目がピッチグレードは一番高く5級となっている。

カンテから小ハングを越えるところが核心か、、、
ここはリーチがないと頭上のガバに手が届かず、フリーで抜けるのは厳しいようだ。
幸い私はガバに手が届いたので抜けることが出来た。

後はアトムがフレンズを上手く使いながらクラック沿いに高度を稼いで行った。



3ピッチ、4ピッチとどのピッチも体感的なグレードには差がないように感じた。
ピンは少なく、カムを多用して登っていくのでいいトレーニングにはなるようだ。

4ピッチを登ったところの松の木のテラスで休憩を取る。
右を見ると、前回クリップで怖い思いをさせられた「ラストフロンティア」のRCCボルトが
「またおいで」とキラキラと誘うように光っている、、、、「もう結構です、」と私は小さな声で応えた。

今日のアトムは落ち着いていて、自分のクライミングに自信を持って登っているのが
私には感じられた。
いよいよ、このルートで一番かっこいい、ハングのトラバースだ。
まず1本フレンズを決め、トラバースにかかる。
足はフリクション頼りだが、掛かりの良いバンドに手を入れて左に移っていく。
大きく左足を伸ばすと、ホットできるスタンスがある。

後は、直上すれば良い。




次のビレイ点は2人しか立てないので、アトムがスタートするのを確認して私が登りだした。
ビレイ点に着いてみると、アトムの指示通りにビリーちゃんがしっかりビレイしていた。

最後のピッチはクラック沿いにレイバックなどが良く決まり、
このルートの中では個人的には一番快適で好きなピッチだった。

ラストを努めてくれたクニさんも無事終了点に登り上がり、全員で握手!
トップを確実に無理なく登ったアトムともがっちり握手!!

「山人」として初めての比叡山だったが、とても楽しく充実していたと思う。
メンバーそれぞれのテーマもきちんと自分のものにすることが出来たのではないかと思う。

最後のミーティングで私が言ったのは、

「山人の中での上級クライマー(外の世界では初級クライマーですが、)にとって、今日の左方カンテは、
 ちょうどいいグレードだったように思う。これからも自分達の力を過信することなく一歩一歩確実に
 ステップアップして行きたい。それが本当の達成感に満たされる事にもなるし、山や岩やそのルート、
 開拓して下さった方達への礼儀でもあると思う。自分の足元をしっかり見据えて、地に足の着いた山登り
 岩登りをして行きたい。自分達の力で登ることこそが山登り、岩登りの醍醐味だと思う。」

 と、今日のアトムのクライミングに心打たれた私は、2時間の演説をしたのでした、、、終わり


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