≪Jimny倶楽部の山登りレポート≫

祖母傾縦走


*Jimny倶楽部で、祖母傾縦走に行ってきました。
 紅葉を楽しみながらのんびり縦走できたらいいなあ〜〜〜と、出かけたのですが
 なんのなんの、祖母傾はそんなに甘くありませんでした・・・・・・ 
 
                                           
                         *計画書     *概念図

【登った山】・・・・・・・傾山、笠松山(の横を通り過ぎただけ)、本谷山、古祖母山、障子岳、祖母山
【山 行 日】・・・・・・・2002年11月2日(土)〜4日(月)
【天   候】・・・・・・・・晴れのち雪/曇りのち晴れのち雪/雪のち晴れ
【コ ー ス】・ ・・・・・・・九折登山口→三つ尾→坊主→傾山→九折越小屋(泊)→笠松山→本谷山→尾平越→
             古祖母山→障子岳→祖母山→九合目小屋(泊)→宮原→尾平
【メンバー】・・・・・・・・ビューティーそのこさん、おじゃるゆり子さん、月桂冠りつ子さん、mimimama、Jimny


女だけの祖母傾縦走から2年半・・・・・・
近年この縦走路も関係各位のご尽力により整備が進み、格段に歩きやすくなった。
とは言え、やはりこの縦走路は九州で山登りをする人にとっては特別のコースであることに違いはない。

今回のメンバーは、久し振りにこの縦走路を歩くJimnyがLを務め、
SLには、思い出の縦走路をもう一度確かめながら歩きたいmimimamaさん。 
それに、日本百名山登頂中の月桂冠りつ子さん。

そして、山歴20年近いおじゃるゆり子さんとビューティーそのこさんのお二人。
このお二人にとっては長年の念願のコースだったそうだ。

そんな気合充分のメンバーを得て、LのJimnyも思わず力が入ります。

今回は紅葉を見ながら、楽しく歩きたいものだ・・・と、ご馳走を用意し、
お酒もほどほどにザックに詰めて準備万端整いました。

天気予報では冬型の気圧配置になるとのこと・・・・
2日目、3日目は曇りと雨マーク。
りつ子さんは
「アイゼンはいらんやろか?」と心配する。

私は
「11月の始めに九州でアイゼンのいるとか言う事は
聞いたことのなかばい」と、笑ったものの、
りつ子さんの言うとおりの展開となったのでした。

・・・・・・・・・・・・・・・・

九折登山口の駐車場に前夜テント泊し、
いよいよ縦走の朝がやってきた。
ご馳走で膨らんだザックが重い。

この時期の縦走は春よりも荷は重くなるが、
それは全員覚悟の上だ。

観音滝を眼下に見ながら一旦林道に出る。

林道を横切り、
急登の続く山道を三つ尾へと向かう。
今回は、三つ尾から坊主コースへ入る。
風が冷たいが
天候はまあまあと言ったところか・・・・・

岩峰の展望台からは、
明日歩く事になる山々が見渡せる。

5mのルンゼや、新しくハシゴが
架けられていたカンテの乗っ越し、
五葉塚への岩場など、
順調に登っていく。

傾山はうっすらと雪化粧のようだ。
7月の剣岳以来、本格的な山行は久し振りの
りつ子さんは少々きつそう・・・・

この日のために半年間かけてトレーニングに
励んできたおじゃるさんは絶好調の様子。

悩みに悩んでようやく仕事の都合をつけて
参加が決まったそのこさんは
さすがに日頃の鍛錬の積み重ねで順調だ。

傾山の山頂では小休止を取っただけで、
九折越の小屋へと向かう。
九折越では小雪が舞い始めていた・・・・・・・・・・
九折越の小屋には、
広島大学のワンゲル部5人パーティーと
もうひとつ男女混成の大学生の6人パーティー、
単独の熊本の男性が一人、
それに我々パーティーの4組だった。

今日の我々の夕食はポークソテーです。
小屋の中においしい匂いをまき散らして、
ゴージャスな夜は更けていったのでした・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・

縦走2日目の朝は、雪景色だった。

4時に起床し、
5時前にはヘッドランプの明かりで出発。

笠松山の横を過ぎる頃、
空がうっすらと明るくなってきた。
本谷山を過ぎ、ブナ広場でコーヒータイムを取る。
我々より1時間遅れで出発したという
広島大のワンゲル部が、もう追いついてきた。

若いっていいなあ〜〜、と全員ためいき。
ブナ広場を後にして、尾平越を通過。

この尾平越の通過タイムで
祖母山までいけるかどうかを
判断しなければならない。
今日のこのペースなら大丈夫そうだ。

今日はトップを行くmimimamaさんが
いいペースでみんなを引っ張っていく。
この尾平越から古祖母山までの登りが、
今回一番きつい登りだろう。

古祖母山を越えると、
一旦下りとなり障子岳への登り返しとなる。
このあたりから雪が深くなってきた。

障子岳は厚い樹氷が付いていた。
天狗岩へと向かう。

コース上に出てくる岩場は慎重に進んでいく。

天狗岩を越え、
いよいよ祖母山への最後の登りとなる。
ここまで予定のタイムで来ている。
この悪条件の中、みんながんばっている。

祖母山直下のルンゼのハシゴは
凍っていて滑りやすい。
ルンゼを過ぎると、最後の岩場だ。
いつもならなんと言う事のないところだが、
雪でスリップするので慎重に登る。

こんな時期にアイゼンがほしくなるなんて、
りつ子さんの言うとおりだった。

・・・・・・・・・・・・・・

念願の縦走路の到達点「祖母山」の山頂には
長年の宿題を果たした、
おじゃるさんとそのこさんがトップで登頂!

みんな揃ったところで、固い握手を交わす。

バンザ〜〜イ!
九折越の小屋から祖母山まで
休憩を含め、10時間40分。
この条件にしてはいいペースだったと思う。

凍えそうな山頂は早々に後にして、小屋へと向かう。
祖母山九合目小屋では、久し振りに会う小屋番さんが
「よ〜来たのお〜〜」と、笑顔で迎えてくれた。

今夜の宿泊客は我々のほかには、3組4人とのこと。
ゆっくりできそうだ。

広島大ワンゲル部は我々と入れ違いに
テン場に向かっていった。
九折越の小屋とは違い、祖母山の小屋は快適だ。
ストーブが燃え、自家発電の灯りもある。

荷物の片付けを済ませ、一息付いて
今日の夕食に取り掛かる。
今日は、キムチ鍋!

ご飯を炊いて、キムチ鍋が出来上がる頃、
担ぎ上げたビールを開ける。

さあ〜、始めよう!
その夜は、同宿の人たちとの会話も弾み
持ってきたウィスキーもほとんど空に・・・・・・
・・・・・・オヤスミナサイ

3日目、できれば大障子、前障子を越えたいと
思っていたがこの積雪ではとても無理だ。
広島大ワンゲル部も同じ様に変更するらしい。

同宿の2パーティー3人から
下山に自信がないので同行させてほしいとの
申し出があり一緒に行動することとなった。

昨夜降った雪で積雪はまた多くなっている。
 
尾平から上畑までのバスの時間の都合があるので
同宿だった熊本の単独行のベテラン(A星さん)と
mimimamaが先に尾平に下ることとする。

残ったJimny倶楽部4人と同宿の2組3人は
小屋番さんに別れを告げ、
一緒にゆっくり安全に下山する。

宮原までは雪が深い。
宮原を過ぎ、5合目あたりから雪は少なくなり
白い雪と紅葉との素敵な風景が目の前に広がる。

トップはおじゃるさんにお願いする。

尾平までは3時間くらいかけてゆっくり下山した。
振り返ると、雪をまとった祖母山系の稜線が雄雄しい。
手ごたえ充分の山行を終え、
みんなの表情も晴れやかだ。

今回の山行のテーマ】
@九州一の縦走路を踏破することにより、
 登山者としての自信を深めたい。

Aこれまでの登山経験を通じて身に付けた体力、
 歩行技術、生活技術、パーティーシップなどを
 実践の場で発揮し思い出に残る山行としたい。

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長崎へと帰る車の中には、
自信を深めた登山者の顔がありました。