≪Jimny倶楽部の山登りレポート≫

大崩山・宮崎県の山


「私にとっての大崩山」・・・・・・・・・・・・

私・Jimnyは山を始めた頃、ファミリー登山や単独登山を10年程やっていました。
そしていつの日か、山登りにマンネリ感を持つようになり、長崎の山岳会の門を叩きました。
長崎○○山岳会と言うその会は、長崎を代表する岳人が当時指導者におられました。
S田さん、O田さんという二枚看板のその会は、今となっては稀少な正統派の山岳会でした。
最近は、あのような山岳会は見受ける事はないようです。
会員一人一人がきちんとリーダーができるように・・・・自立した登山者になるように・・・・
というポリシーで会活動をやっていました。

そんな会員の訓練の場として、春山合宿、夏山合宿、冬山合宿がありました。
合宿というからにはその先に本番登山があるわけですが、
会としてはやはりヒマラヤ登山を目標としていたわけです。
実際に何度かのヒマラヤ遠征を合同のパーティーで行っている歴史があります。

その夏山合宿は主に日本アルプスでした。
冬山合宿は主に大山・八ヶ岳辺りでした。
そして春山合宿はこの大崩山系が定番でした。
大崩山荘前にベースを張っての定着山行や、
それぞれのコースから山中で幕営しながら大崩山を目指す集中登山など
大崩山はその山の大きさからして、トレーニングには最適の山でした。
私Jimnyも初めての合宿はこの大崩山でした。
私が本当の意味で山登りに目覚めたのは、この大崩山での合宿山行だったような気がします。

私を育てていただいた山岳会や当時の先輩方には、今諸事情で直接の恩返しをすることができませんが
その当時の先輩方からいつも言われていた
「先輩から教えてもらった事を後輩に伝えることが山岳会の歴史だぞ!」を
今、私も少しなりと実践できればと思いながら山に行っています。

今回の大崩山の山行の時も、思わず力が入っている自分がいました・・・・・
                                                 

【登った山】・・・・・・・大崩山(山頂は踏まず)
【山 行 日】・・・・・・・2002年4月19日(金)夕〜21日(日)
【天   候】・・・・・・・・雨、曇り
【日  程】 ・・・・・・・4/19夕・長崎発→上祝子登山口テント泊
            4/20登山口→大崩山荘(デポ)→涌塚尾根→リンドウの丘→坊主尾根→大崩山荘(泊)
            4/21大崩山荘→三里河原(往復)→上祝子登山口→長崎へ
【メンバー】・・・・・・・トシさん、ビューティーその子さん、まっちゃん、花散里姫、Mゆりこさん、
            由美さん、
mimimama、Jimny


*画像提供・・・トシさん

Jimny倶楽部では初めて取り組む「大崩山」・・・
今年は花が早いとの事なので
アケボノツツジにはちょうどいいかも・・・・

金曜日の19時に長崎を出発する。
途中、食事したり買出ししたりしたので
登山口の上祝子に着いたのは
1時頃だった。
テントを二張り設営して、
軽く前夜祭をして就寝する。

翌朝、5時に起床する。
テントを撤収して、
共同装備を全員で分担してザックに詰め込む。

雨ということもあり、登山口には車は5〜6台。
この時期の大崩山としては、かなり少ない。
テン場の大崩山荘までは、30分ほどの行程だ。
山荘が満員の時を考えて、テントを2張り持ち上げる。
それに、今日はボッカ訓練の意味もある。

大崩山荘に到着。
テントは1張りもない。
山荘にも1パーティーの荷物があるだけ。

テント、シュラフ、食料、など
行動中に必要ないものを、山荘に置いて
ばたばたと出発する。

今日は、涌塚尾根を登って坊主尾根を下る長丁場だ。
下山してくる坊主尾根コースへの標識を左に見て
三里河原方面に進む。

しばらくで涌塚尾根への標識に従い、河原に下り
丸木橋を渡る。

雨に濡れているのでスリップに要注意だ。

「アンビリーバブル!」と、
英語の先生をしている由美さんが叫ぶ・・・・
小積谷で水を補給する。
2000年11月に登った小積谷への取り付きを左に分ける。
この辺りから急登になってくる。
全員がんばって登ってくる。

急登を終え、稜線に登り上がると
アケボボツツジが我々を迎えてくれる。
雨に濡れて幽玄さを増して艶やかだ。

ここから一登りすると、袖のダキへの分岐に出る。
展望は期待できないが、とりあえず寄り道をする。

正面に見えるはずの、小積ダキはガスの中だ。

アケボノツツジはこの辺りは多い。
袖のダキから登山道に戻り、大崩山を目指す。
下ワク、中ワクはパスして、先を急ぐ。
最後の上ワクは寄らねばなるまい・・・・・
右から岩を巻いて登るのだが、残置しているロープは岩角に当たるところが擦り切れかけている。
我々は、自前のロープを使った。
みなさんもお気をつけください。

この後のチムニー状の登りも足元の土が濡れて滑りやすいので、要注意!
我々は下りでロープを使った。
上ワクの上からも何も見えないが、ここもアケボノツツジがきれいだ。

ここまで少々時間を食っている。
メンバーと相談し、今回は大崩山の山頂はパスして、
リンドウの丘を経由して、坊主尾根コースで下山することにする。

上ワクから山頂方向に進み、リンドウの丘への分岐を左折する。
リンドウの丘に着く。
岩から下を覗けば、眼下に、アケボノツツジが空中に浮かんでいるかのようだ。

「ファンタスティック!!」と、英語の先生をしている由美さんが叫ぶ・・・・

ここで、雨よけにシートをタープ代わりに張り、簡単に昼食を取る。
昼食を済ませ、坊主尾根コースへと向かう。
今回は、この辺りが一番アケボノツツジが花盛りだった。
アケボノのトンネルの様な道を、「ワーッ、ワーッ!」と
歓声をあげながらお嬢様たちはいっこうに足が進まない。

そうこうしているうちに、小積ダキの突端への分岐に出る。
せっかくだから立ち寄ってみる。
風が強烈に吹いている。

突端まで行ってみるが、何も見えない。
一瞬ガスが晴れて、眼下に下小積谷が見える。

登山道に戻り、先へ進む。

ハシゴやロープが多くなってきて、道は険しくなってくる。

ゾウ岩のトラバースの地点に出た。

「エ〜〜ッ、ここを渡るのお〜〜、オ〜マイガッド!!」と
またまた、由美さんが叫ぶ・・・・
メンバーに用意してもらったシュリンゲとカラビナで、
安全確保をして、順番にトラバースする。
カラビナは2枚セットして、支点の通過の際に、
カラビナを架け替える時も万全を期す。

無事に渡り終え、グングン下る。
途中、米岩と松の木の風景が素晴らしい。
振り返れば、小積ダキもその雄姿を現した。

「ウ〜ン、グレイト!!」と
英語がよくわからないJimnyがつぶやく・・・

つぶやいた後も、グングン下る。
やっと、渡渉点に出る。
ここを渡れば、大崩山荘だ。
少し増水しかかっている。
思い切って、水の中にスタンスを求める。
このほうが安心だ。
無事、大崩山荘へと帰り着く。
朝、山荘にあった別のパーティーの荷物はもうない。
今夜は、我々だけの貸切のようだ。

雨具などをロープに干して、夕食の準備に取り掛かる。
持参したビールを沢の水で冷やすことも忘れてはならない(コレ、イチバンダイジ!!)
今日のメインディシュは鴨鍋でございまする〜〜〜
おつまみがそれぞれの荷物からゾクゾクと出てくる。

担いできたテント2張りが空しく転がる貸切の山荘で、粛々と宴は始まる・・・・・
今日は、ビューティーそのこさんが体調悪く、横で唸っているが、そんな事を気にしていてはビールは飲めない。(キッパリ!!)
個人的には、ビール3本とウィスキーを少々飲んだところでシュラフからお呼びがかかり、お先に失礼しました。
トシさん、mimimamaさん、まっちゃん、花散里姫の4人は朝まで飲んでいたそうな・・・・・・

そして、大崩の夜は更けて二日目の朝を迎えるのであった・・・・・       続く